エアコンの困りごと

エアコンの隠ぺい配管流用のメリット、デメリット、施工店の探し方を詳しく解説

目次
  • エアコンの配管流用について
  • 今の壁中、天井裏配管は基本的に流用可能です!
  • 家庭用エアコンの隠ぺい配管を流用するメリット
  • ①外から見た目がスタイリッシュに保てる
  • ②家の壁に配管穴を新しく開ける必要がない
  • ③実は配管も長持ちしやすい
  • 家庭用エアコンの隠ぺい配管を流用するデメリット
  • ①隠ぺい部でガス漏れした際の処置が難しい
  • ②工事代が高額になりやすい
  • 隠ぺい配管を流用したいんだけど、どうしたらいいの?
  • 見積もり時、伝えておくと良いこと

エアコンの配管流用について

こんにちは、エアコン営業歴15年のこたんです。

今回は、壁の中に配管が隠ぺいされている方の悩みを解説します。

多くの家では、エアコンの配管は家の外に露出されていますが、たまに壁の中から配管の末端だけが出ていることがあります。

こうした配管工事を、業界では隠ぺい配管工事、と呼びます。

この隠ぺい配管工事、エアコン入替えのタイミングで一つの問題が出ます。

このエアコン、入れ替えするときにどうしたらいいんだろう。。

エアコン営業歴15年

結論から言うと隠ぺい配管のほとんどは、そのまま流用可能です。新しく壁に穴を空けて配管新設をする必要はありません。

エアコンの隠ぺい配管を流用するメリットはこの3つです。

  • 外からの見た目がスタイリッシュ!
  • 配管は隠ぺい配管が長持ちしやすい。
  • 改めて家の壁に穴をあける必要がない

一方で、エアコンの壁中配管を流用するデメリットはこの2つです。

  • 隠ぺい部でガス漏れすると、修復が難しい
  • エアコンの入れ替え工事が高額になりやすい

順番に解説していきます。

今の壁中、天井裏の配管は基本的に流用可能です!

メーカーのカタログにも大きく書いてありますが、基本的に配管は流用可能です。

もちろん例外もあり、こんな場合は配管流用はできません。

  • 配管が機械に対して太すぎる(細すぎる)
  • 配管からガスが漏れている
  • 配管内の油が傷んでいる

家庭用エアコンの隠ぺい配管を流用するメリット

隠ぺい配管を流用する主なメリットは、この3つです。

  • 外から見た目がスタイリッシュに保てる
  • 家の壁に配管穴を新しく開ける必要がない
  • 実は配管も長持ちしやすい

外観 見た目がきれいに仕上がる

とある仕事相手の新築設計士さん、本当に隠ぺい配管が大好きです。

エアコン営業

こっちのエアコンはおうちの裏手なので、配管は露出でしょうか。

設計士さん

いえ、隠ぺい配管にしましょう!必要なら壁もふかします!

こんなやり取りが度々有ります。

実際、そうして出来上がる住宅は本当にスタイリッシュです。

「神は細部に宿る」の言葉通り、配管までこだわっているから総合的にステキでスタイリッシュな住宅が作れるのかと思います。

確かにこだわりの住宅、わざわざ配管新設するのも忍びないよね。

見た目にこだわる方は、是非配管の流用を検討してみてください。

改めて家に穴を開ける必要がない

これも重要なメリットです。

壁に穴を開けるとき、耐震強度を担っている「筋交い」を一緒にくり抜いてしまうケースがあります。

筋交いの位置は、新築の図面に書いてありますが・・。

エアコン営業歴15年

厄介なことに、図面と現場が異なることもあり、100%信用できません。

穴を空けるのであれば、家を建てた工務店に、穴開けの位置を相談した方がいいです。

ですが、エアコンの更新は家を建ててから10年後となるものです。

工務店もどうなっているか分からなくなっている可能性もあります。

家の強度を保つことを考えると、隠ぺい配管が流用するのがいいんだね。

配管が長持ちしやすい

配管を建物の中に埋め込むことで、紫外線、雨風から配管を守ることになります。

一方で、露出配管は外に出ている部分が段々傷んできます。

露出配管の場合、化粧カバーで守ることは可能ですが、化粧カバー自体が長い年月をかけ、紫外線や天候でボロボロになってきます。

隠ぺい配管を流用するデメリット

次は、隠ぺい配管を流用するデメリットについてもお伝えしていきます。

  • 隠ぺい部でガス漏れした際の処置が難しい
  • 工事代が高額になりやすい

ガス漏れした場合の処置が難しい

エアコン営業歴15年

そもそも漏れ箇所の特定が至難の業

ガス漏れと言うと、いかにも「プシューっと音がして蒸気のようにガスが噴き出す」様なイメージをしますよね?

実際は、そういったケースは極稀で、大抵のガス漏れはこうです。

  • 目視で分かるような穴はない
  • 音も全くしない
  • 何週間もかけて、じわじわと漏れていく

こうなると、ガス漏れ位置を特定するには耐圧検査していくことになるのですが、漏れ位置特定が難しくなってきます。

また、首尾よく漏れ箇所特定出来たとしても、それが補修可能な位置かは分かりません。

サービスマン

分かりました!この壁中のどこかでガス漏れしていますね!

こんな場合は、配管の補修のためには一旦壁を解体する必要があります。

もちろんそんなことは出来ないので現実的には、配管新設工事を検討することになります。

工事代は高額になりやすい

これは、家電量販店が手を出しにくい分野だからです。

例えば隠ぺい配管をしている方が量販店に買い替えに行くとします。

その時に必ずと言っていいほど提案されるのが、配管新設工事です。

量販店員

隠ぺい配管は無かったことにして、新しく穴を開けて配管を引き直しましょう!

これは、家電量販店はパッケージ化した工事提案に強みがあるからです。

配管流用は個別に流用可否を判断する必要があるため、量販店頭ではおすすめしにくいものになります。

大手が避ける工事なので、供給が少なく、価格も比較的高額になりやすい分野と言えます。

隠ぺい配管を流用したい 工事店の探し方

メリットデメリットはよく分かったよ。それじゃあ、配管流用工事はどこにいえばいいのかな。

大きくは、こんな感じです。

  • 家電量販店に相談する
  • 業務用空調もやっている設備工事店を探す

家電量販店に相談する

前述の通り家電量販店では穴あけ配管新設を提案されると思います。

ですが全く出来ないわけではないため、隠ぺい配管流用による工事見積もりをお願いしてみましょう。

業務用空調もやっている工事屋さんを探す

エアコン営業歴15年

実はこちらがおおすすめです!

実は既設配管流用は、業務用空調ではメジャーな工事です。

広い空間で使用する業務用エアコンは、部屋の真ん中に室内機の配置することが多いです。

また、土地に余裕がない都心部などは、室外機が屋上に固まっていることがほとんどです。

そうすると、室内機と室外機と繋ぐ配管は、どうしても天井裏や壁中隠ぺいになります。

この状態の配管を交換新設するためには、天井や壁を解体する、大掛かりなリフォームが必要です。

そのため、業務用エアコン入替えには配管は流用することが一般的です。

こうした分野に強みを持つ業者さんは、配管流用可能か判断に慣れています。

業務用エアコンも扱うお店の探し方

地域によって色々ありますが、暮らしのマーケットなどで検索してみると良いでしょう。

見積もり時、伝えておくと良いこと

相見積もりのために概算見積もりが欲しい場合は、こんな情報を伝えると良いでしょう。

  • 今の機械の型番と、希望機種
  • 故障しているのであれば、エラー内容
  • 設置状況の写真
  • 出来たら、新築時の空調図面

今の機器の型番と、入替え希望機種

これをお聞きすると、エアコンの畳数と今のエアコンの配管の太さが分かります。

エアコン営業歴15年

9割大丈夫ですが、昔のマルチエアコンやガスエアコンの中には配管が太すぎて流用できないものもあります。

また、希望の機種があれば一緒にお伝え下さい。

その際の注意点として、加湿換気機能付きエアコンは隠ぺい配管では使えません。

主に、隠ぺい配管工事で選べないエアコンはこのシリーズです。

  • ダイキン工業のRX、MX、VXシリーズ
  • PanasonicのLXVシリーズ

エラー内容

今のエアコンが故障した場合は、エラー内容も重要な情報です。

もしエアコンの本体ランプが点滅していたら、それがエラーの可能性が有ります。

エアコン営業歴15年

ちょっと手間ですが、メーカーにエラー内容を確認してみてください。

もしエラーがガス漏れの場合は、配管から漏れている可能性があります。

その場合は、工事の前に配管の漏れ検査をしてもらった方が良いでしょう。

 設置状況の写真と出来れば図面

これは、搬入経路や設置周り環境を知るために欲しいものです。

工事のための写真なので、アップの写真より、出来れば引いた写真が役に立ちます。

 まとめ

この記事では、こんなことをご説明しました。

  • 隠ぺい配管は基本的に流用可能!
  • 隠ぺい配管流用のメリットとデメリット
  • 配管流用が得意な施工店の探し方
  • 見積もり時に伝えておくとよいこと

エアコンの隠ぺい配管でお困りの方は多いですが、正しい知識があれば何も難しくありません!

是非、参考にしていただき、悩みが解決できたらうれしいです!